Impressions
オランダ産プログレッシヴ・ロック/メタル・バンド ORPHEO のデビュー・アルバム。
随所で DREAM THEATER 風味のインタープレイをメタリックに決めるインテリ眼鏡系プログ・メタル的な雰囲気を醸し出しつつも、実はさほど技巧派ではない各人の程々なプレイの有機的アンサンブルのおかげか、全体に漂うのは辺境プログレちっくなリラックスした空気感。
その長閑な空気の中に充満する東欧~南米系を思わせる雄大な地平に広がる泣きフィールこそがこの ORPHEO の最大の魅力で、前述のプチ・テクニカルな弾き込みから崩れ落ちるようにしとやかな哀愁を湛えたシンフォ・パートに展開する瞬間に見せる、往年の KAYAK, CAMEL に通じる淡い哀感がなんとも素晴らしい。
ドレッド・ヘアの看板美女シンガー Wendelin Visser タンの中性的な声質とそれで歌われる叙情メロディも美味しく、7曲で70分超という大作ながら、それぞれの楽曲に流れる旋律美に支配されるうちに一気に最後まで聴けてしまうのが嬉しいッス。
(Mar. 08, 2006)
満足度 : 86%