Impressions
ロシアのシンフォニック・ブラック・メタル・バンド TVANGESTE の 2nd アルバム。
Naturelle Chirva たん& Victoria Koulbachnaja たんという2人の美女キーボーディスト(Victoria たんはフルートも担当)を贅沢にも擁する主要メンバー5人に、フィメール・シンガー&ヴァイオリニストというこれまた女性2名+ドラマーをゲストに迎えた8人が中心となって構築したのは、クラシカルなシンフォニーに支配された実に芸術的なブラック・メタル。
表情豊かなデス・ヴォイスが絶叫するブラック・メタルの禍々しさに、Baltic Symphonic Orchestra による本格派オーケストラ・パートと Prussian Chamber Choir の瑞々しい混成クワイアが壮麗な彩りを加えたドラマティックこの上ないサウンドは、まさに CRADLE OF FILTH meets THERION という表現がピッタリ。
っとにね、#1 "Introduction" でいきなり鳴り響く生ヴァイオリンの悶絶旋律を一聴しただけで、まずはこの上ない満足感を得られること必至ッスわ。
悶々とした叙情を醸し出す静の部分がたっぷり配されているのもミソで、#5 "Perkuno's Flame" の中間部や #7 "Storm" のイントロなどは、I POOH や NEW TROLLS らの往年のユーロ・ロックの名バンド勢のそれに勝るとも劣らぬ泣き具合。
手数的には問題ないがややビート感に欠けるドラムをはじめ、メタル・パート全体の「薄さ」がちょっとだけ気になったり、悶絶ポイントが楽曲単位じゃなくてパート単位だったりするってな欠点を感じはするものの、聴けば聴くほどイイッス!
いやいや、このレベルの作品にはなかなかお目にかかれないことは確かな、オーケストラル・ブラック史に残るべき傑作デスわ。
(Oct. 05, 2003)