Impressions
イタリアン・メロディック・メタル・バンド ARTHEMIS の 3rd アルバム。
前作 "The Damned Ship" がお気に入り盤だったんで期待していたが、本作では一転して XaMetalic な解りやすい激メロを後退させ、一聴して地味な印象・・・。
・・・だがしかぁーし! 男前シンガー Alessio Garavello の POWER QUEST の仕事で一皮向けた感のある線が細くもパワフルな若々しい勢いに満ちた良質ヘナチョコ・ハイトーンのしっかりと存在感と、ギタリスト Andrea Martongelli の「Hail! Marty Friedman!」なエスニックなフレーズ使いの妙が冴える楽曲は、前述したように確かに「地味」なんだけど、時に辻褄の合わなさに眩暈を誘われるような強引一歩手前の独特のフックが「プログレッシヴ」とはまた違う妙な独自性みたいなものを生んでいるのが面白い。端々に息衝く悶絶メロディも充分に魅力的だし。
アレンジの幅や楽曲のヴァラエティに、正統メタルの枠を決して越えない範囲での溢れる冒険心を感じさせるその姿勢には、N.W.O.B.H.M. 時代のバンドの精神性を感じちゃってみたり・・・。
現代の欧州メロディック・スピード・メタル界では異色のサウンドを持ったバンドになりつつあるが、それはそれでプラスかもね。
でも、ボーナス・トラックの KISS のカヴァー #10 "Love Gun" は・・・いつもその前で STOP ボタン押してます。(汗)
(Aug. 23, 2003)
満足度 : 81%