Impressions

RHAPSODY / Rain of a Thousand Flames (2001)

投稿日: 2001/11/20

我等がハリウッド・エピック・メタルの雄 RHAPSODY の、来るフルアルバムからの先行ミニ・・・ではなく、そのアルバムで体現されるであろう「Emerald Saga 完結編」の前編という位置付け。
語り/セリフ(イタリア語が効果的!)を大胆に配して、これまで以上に物語性を高めた感のある作風の本作は、各曲それぞれがフックに満ちていたコレまでの作品とは異なって、トータル的な視点を持って聴く事を要求するある意味とっつきにくい作品かも。
が、最初は冗長に感じられる部分も、聴き込むに従ってそれぞれが意味を持っていることに気付くと、見事なまでにツボを突くようになってくる。
攻撃的なクワイヤからいきなりの超速な疾走が度肝を抜く "Rain of a Thousand Flames" からクラシカルなイントロダクション "Deadly Omen" に導かれる13分の大作 "Queen of the Dark Horizons" を経て辿り着くのが、25分に及ぶ4部構成の壮大なファンタジック・ウォー・メタル・オペラ組曲 "Rhymes of a Tragic Poem - The Gothic Saga" で、その中でも Antonin Dvorak の交響曲 "Symphony No.9 'From The New World'" をモチーフにした最終パート "The Wizard's Last Rhymes" は紛れもなく本作のハイライトで、その息を呑むダイナミズムはまさに圧巻! そのモチーフを最大限に生かしきったクラシカルな展開美は、クラシック・ミュージックに対する付け焼刃ではない素養を持ち合わせた RHAPSODY ならではの味わいだ。
ただ、不満な点もあるな。より攻撃的なテイストを滲ませる威風堂々とした歌唱を聴かせる Fabio Lione に反して、前作 "Dawn of Victory" で著しい成長が見て取れた Luca Turilli のギター・プレイが、本作ではそれ以前のような面白みに欠けるものに逆戻りしてしまっていると感じられるのがちょいとね・・・。
あと、大作好きとしては、追ってリリースされる後編とセットだった方が、Emerald Saga 完結編という壮大な作品に相応しい超大作ということで、パッケージとしての満足度はよりアップしたような気がするんだけど。そして全部で2時間越しちゃったりなんかしたら、さらに悶絶だったりするんだけど! あ、オレだけだよね。(笑)
ま、何にしろ 2002年2月にリリース予定の完結編後編が楽しみだ!

満足度 : 87
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