Impressions
スイス産ヅカ(宝塚)・メタル(笑)LACRIMOSA の 7th アルバム。って、確かにメタル・リズムやディストーション・ギターが鳴る場面もまだまだ健在だけど、もう「ヅカ・メタル」と呼ぶべきではないなぁ。うーん、「ヅカ・ゴシック」にしとくか。(苦笑)
Tilo Wolff のイヤラシ~い粘着ヴォイスに Anne Nurmi 姐御の艶々ソプラノが痴情を滲ませながら絡み付く耽美なる歌劇は、Spielmann-Schnyder Philharmonie と German Filmorchestera Babelsberg による本格的なシンフォニーを主軸とする、前作 "Elodia" 同様の路線を更に推し進めたもの。
大仰かつロマンティックに展開する一癖あるシンフォニック・ロックは、繊細な感情描写を静粛に見せるたと思いきや、次の瞬間には全楽器が一丸となって激情を吐露してみたりというダイナミクスに溢れたオーケストラに支えられてはいるが、その芯にしっかりと息づいているシアトリカルなアンダー・グラウンド・ゴシック独特の荒廃した空気を見出せるのがいいね。
作を重ねる毎にこなれてゆくその宝塚的な一般性は、本作では(音楽性は違うものの)一時の Alice Cooper に匹敵するに至っているかも。
それにしても "Ich verlasse heut' Dein Herz" で聴けたような号泣必至の哀切ギター・プレイが控えめなのが、ちょいと残念。ってゆーかカナリ残念。。。だってオレにとっては前作での一番の聴きどころだったんだもの・・・。
満足度 : 80%