Impressions
THE DREAMSIDE と DANCE MACABRE が合併して誕生した蘭独合弁の7人組ゴシック・メタル・バンド SATYRIAN のデビュー作。
Kemi Vita 嬢 (♀vo/THE DREAMSIDE)、Judith 'Ciara' Stuber 嬢 (♀vo/DANSE MACABRE)、そして Roman Schonsee (♂vo/THE DREAMSIDE, ex-PYOGENESIS) という3人の男女シンガーを贅沢にフィーチュアして、ロマンティックな旋律美をパワフルに爆発させるその音像は、SIRENIA に近いと思えるスタイル。
Jan 'Orkki' Yrlund (g, programming, music/DANSE MACABRE, ANGEL, IMPERIA, ex-LACRIMOSA, ANCIENT RITES)、Oliver Philipps (piano, g, vo, orchestra arrende, produce/EVERON) の両名がこれまでの豊富な経験で培ったゴシック/プログレッシヴ・センスをフルに駆使した、王道たる耽美色とデジ風味のモダン・エッジをバランスよく配合した優美なシンフォニック・アンサンブルの妙は、ここ最近聴いたゴシック系の中でもかなり美味しい感じ。
聴き始め一瞬、ややモッサリめのプロダクションと女性シンガーの微妙なヘタウマっぷりに戸惑ったりもしたけど、上記の良質のアンサンブルが映える楽曲の良さが十分にそれをカヴァー。「邪悪な BLACKMORE'S NIGHT」(笑)ってな感じの #7 "Bridge of Death"、欧州慕情を湛えたピアノの響きがタマラン #9 "No Tears, No Embrace" も好きだけど、ハイライトはやっぱフィメール・ゴシックならではの悶々とした哀感を垂れ流す #6 "Sacred Lies" だよなぁ。文句なしで名曲に認定ッス。
(Apr. 29, 2006)