Impressions
フィニッシュ・メロディック・デス・メタル・バンド KALMAH の 3rd アルバム。
テクニカルなギター&キーボードがリードする CHILDREN OF BODOM 系な出で立ちは従来通りだが、より攻撃的になったと同時にエモーションをも大幅に増加させて骨太になった音像から窺い知ることができるのは、格段の成長。
ピロピロ感がやや強かった Antti Kokko のギター・プレイはいい意味で落ち着き、これまで以上にメロディへの執着を見せるシンガー Pekka Kokko の歌唱と、相変わらず普段はサポートに徹しながらここぞという時にセンス良く攻めてくる Pasi Hiltura の味のあるキーボードとが実にバランス良くテリトリーを分け合った楽曲は、ややワンパターン気味だったこれまでとは一味違うパターンの豊富さが、一皮ズル剥けた印象を与えている。
疾走感溢れるスリリングな旋律美がこの KALMAH の魅力ではあるんだけど、本作においてはそれに頼らぬミディアム・テンポの重厚な楽曲での「ヴァイキング風味」と言ってしまってもよいだろう哀切なる勇壮旋律にこそ、悶絶ポイントを得ることができるかも。
いやいや、化ける一歩手前の充実感を溢れ出させた好盤だわ。
2002年の Wacken で体験したショウでの立ち姿のカッコよさが瞼に焼き付いているだけに、またいつかこのバンドのライヴが観てみたいな。
(Jun. 04, 2003)
満足度 : 86%