Impressions
ROYAL HUNT / The Mission (2001)
ROYAL HUNT の新作は、米国の Fantasy 作家 Ray Bradbury 著の傑作古典 SF "The Martian Chronicles"(邦題:火星年代記)をテーマにした本作は、それぞれの曲々を場面転換と情景描写の役を担う短い S.E. で繋ぐ手法を取った、まさに Story Album。
前作 "Fear" では、地味で平凡な楽曲に辟易しながらも John West の Special な vibes の魅力に惹かれて Repeat するうちに、そのうち楽曲自体もそこそこ気に入って行った・・・という経緯があるので、本作 "The Mission" もさほどの期待を負うことなく接することが出来たわけだが、これがカナリの地雷的(笑)Hit。
火星への旅立ちを思わせる冒頭の S.E. に続き、普通に演ったらとてつもなくダサい(マジ)8ビートの刻みに、テ・・・Techno か!?と腰が退けそうな Digital Beat が絡んできた時にはちょいとビビったが、その後展開されたのは本来の ROYAL HUNT の路線から決して逸脱することのない・・・どころか、John West の魅力を存分に引き出すことに成功した、凡庸だった前作の印象を拭い去る出来の良さ。"Surrender" っちゅー悶絶 Tune もあるし。
頭領 Andre Andersen による、Digital な装飾(ってゆーのも変だな。もともと Keyboard 主体なんだから Digital じゃん/汗)つまり「ピコピコ」な(笑)音飾や、リリカルな笛系の音色に代表されるこれまでにない多彩な音色を Feature した新たな鍵盤 Magic と、大陸 Hard Rock 的な Guitar Oriented な骨太風味を加味した、全盛期のような Baroque 全開のイケイケな勢いとはまた違った、思慮深く丁寧に構築された Mysterious な Dramatic Metal は、全編を覆うひんやりとした冷たい感触がいかにも未来的。Jakob Kjaer の弾き過ぎない泣きの Guitar がこれまで以上に多く聴けるのも嬉しいね。
そして John West の歌唱のなんと魅力的なことか! この人、自分で歌メロ作らすと全然ダメなので(大汗)、Andre Andersen みたいな Melody Maker に節を作って貰った方が、こうやっていい結果を残せるんだよな。
確かに、まだまだ中庸な楽曲では(特にサビ以外の部分で)ダレる部分があるのも事実だし、Hard Rock / Heavy Metal らしい Energy が余り感じられない不満もあるけど、まずは「復活」(って言ってもイイよねぇ)に拍手ッス。
だが、何の Imagination も喚起しない陳腐な Artwork(Booklet 内の味気ない Font も含めて!)は最低最低最低ぃー。