Impressions
MOONSORROW / Tulimyrsky (2008)
投稿日: 2008/08/20
フィンランドのヴァイキング・メタル・バンド MOONSORROW の新曲/過去曲のリメイク/カヴァー曲をフィーチュアした5曲入りEP・・・って“EP”とは名ばかりで、全5曲合わせてのランニングタイムが1時間以上という通常のアルバムとなんら変わらぬヴォリュームから得られるお腹一杯な満足感は素敵杉。
このところの MOONSORROW の超大作志向を受け継ぐ新曲 #1 "Tulimyrsky" は、9章で構成される約30分にも及ぶ一大叙事絵巻。大地と天空の神々の姿が目に浮かぶような清閑な風景描写から "Firestorm" を意味する曲名どおりにペイガンなアグレッションを渦巻かせる雄大なエピック・メタルは、最初は冗長に感じるけど慣れてくるとそのスケール感のデカさが快感神経をジワジワと刺激し始める。
そしてもう一つの目玉は、METALLICA の名曲カヴァー #2 "For whom the Bell Tolls"。原曲を見事に MOONSORROW カラーに染め上げることに成功しているドラマティックなヴァイキング・アレンジは見事で、もしこの曲がかの名盤 "Kivenkantaja" に収録されたと仮定してもそれが何の違和感ないと確信できるほど。いや~、カッコイイわ。
その他、1stフル以前のデモ収録曲のリ・レコーディング版 #3 "Taistelu Pohjolasta", #4 "Hvergelmir" も、プリミティヴなブラック色と現在の MOONSORROW のエピックな味わいが同居したナイスな出来だし、マニアックな MERCILESS のカヴァー #5 "Back to North" の壮大な独自解釈っぷりも面白い。
(Aug, 20, 2008)
満足度 : 87%