Impressions
フィンランドのゴス&ローラー LULLACRY の 4th アルバム。
骨太なパワー・コードをグイグイとドライヴさせるへヴィ・ロケンローが、一聴スリージーなようで実は北欧らしい計算高い整合感がたっぷり・・・ってトコが、この LULLACRY の魅力だったりする。
そんな適度な下品さを纏ったエネルギーをこれまで以上に思慮深くコントロールし、ドキャッチーな楽曲をよりメランコリックにそしてドラマティックに彩ることに成功した本作は、彼らの作品の中で文句なしの最高傑作となった。
性悪系歌姫 Tanja 嬢のあざとくもキュートな確信犯的技アリ萌え歌唱が股間を刺激する、ワイルドに弾けながらも細部に亘って意外なほどに緻密に作り込まれた楽曲群は、モダン・フィメール・ゴシカルな愁いを封じ込めた #2 "Love, Lust, Desire"、快活なドライヴにエア・ドラムを誘われる哀愁ハードの佳曲 #4 "Stranger in You"、北欧の郷愁を誘うメロウなギター・バラッド #5 "Heart Shaped Scars"、そしてこれまたキラーな叙情パワー・ポップ #8 "I Want You"・・・と名曲クラス連発な充実度で、全体の流れとして見た時のダイナミックなメリハリもバッチリ。
それにしても、この LULLACRY ってライヴがめちゃくちゃカコヨサソウなんだよな。本作を聴いて、いつの日かそのショウを生で体験してみたいと改めて思ったわ。
(Oct. 03, 2005)
満足度 : 88%