Impressions
Mike Oldfield の傑作のタイトルをその名に冠したこの AMAROK は、その名を知られたスペインのトラッド・ロック・バンドと同名異バンドで、ポーランドのマルチ・プレーヤ Michal Wojtas を中心としたランドスケープ・ミュージック・プロジェクト。
メロディを浮かび上がらせる女声スキャットが時折入りつつも基本的には泣きの旋律が穏やかに通り過ぎるインストゥルメンタルで、Mike Oldfield や Pink Floyd を引き合いに出されるその情景的なヒーリング・サウンドは、アコースティック・ギターとヴァイオリンの弦の響きが生み出す温かみに満ちた意外にも有機的な風景描写。
ドキュメンタリーのサウンド・トラックを思わせる感触ながら、たまに顔を出すロックなギターをはじめ、ポーランド産であることを全く感じさせないクリアで切れのいい音像の際立つリズミカルなプログレッシヴ・ロックの味わいもあって、単なる BGM には成り得ない引っ掛かりがあるのがイイ感じなんだよね。
贅沢を言うならば、この薄暮に広がる素晴らしい泣きのメロディは、聴く度に「あー、これでヴォーカルが入っていたら超悶絶なのになぁ・・・。」と思わせてしまうのがチョットだけ残念。
満足度 : 80%