Impressions
2001年リリースの 1st フル "So Pale is the Light" を先々月にゲットしたばかりのフィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド CADACROSS の、日本デビューとなる 2nd アルバムは、1st を聴いて感じた煮え切らなさを払拭する大成長が眩しい一枚。
壮麗なシンフォニーを纏ったキラキラ&メロメロな甘口メロディック・デスという基盤は変わらずも、ヴァイキング・メタル的な勇壮さやフォークロアな民謡風味を強め、さらには XaMetalic なエピック・テイストまでもを増加させたその強力なサウンドからは、前作で感じられたショボショボな「オタクな宅録テイスト」は見る影もない。鎖帷子を身に纏った(嬉泣)ニュー・シンガー Sami Aarnio の咆哮も良ぉーく聴こえるし。
楽曲のスタイルも、女性シンガー Nina Laakso 嬢の味付け程度ながら重要なテイストとなっているメロディックな女声コーラスやフォークロアに絡むアコーディオンなどでヴァラエティを不可すると同時にしっかりとしたリズムがガッツィーな力強さを打ち出した、CHILDREN OF BODOM フォロワーから脱却せんとする意欲を発散したものだ。
NIGHTWISH に通じる勇ましいオーケストレーションが高揚を誘う民謡臭も強い #4 "Morning Star"、CHILDREN OF BODOM の影響が色濃く残る #6 "Flaming Ember"、インパクトに満ちた勇壮なパワー・メタル #9 "Wreath of Seven Stars" あたりは特に印象的で、悶々とした哀切メランコリーの風合いは、すでに ETERNAL TEARS OF SORROW に匹敵する一級品の風格すら滲ませるほど。
まぁ、まだまだ個々の楽曲自体にやや淡白な印象があって、それぞれの楽曲そのものの魅力というよりは「全体のムードの良さ」が勝っていたりはするけれど、今後この CADACROSS にコレ系バンド群の先頭集団の一角を担っていって欲しいという期待を抱かせるには
充分なクオリティを持った作品だ。
ボーナスとして収録された #11 "Wreath of Seven Stars (in Normal Voice Version)" は・・・本編中のデス・ヴォイスで歌ってるヤツの方が、69万倍カッコイイと思いまシタ。