Impressions
イタリア産ネオ=クラシカル・メタル・バンド DARKFIRE のデビュー作。
真性ネオクラ依存症患者としては、メランコリックなコード進行とともに乱舞するアルペジオが絶妙な表情の変化を見せてゆく冒頭の疾走チューン #1 "The Dark Fire" 一曲で、ほぼ TKO 状態ッスわ。
とにかく、若干22才のギタリスト Tommy Dell'Olio の強烈にエモーションを発散するナイーヴなタッチのクラシカル・プレイがメッチャそそる。細かな部分で粗さはあるけど、それを補って余りあるセンス(フレージングに借り物感が少ないんだよね)とフィーリングを持ってる稀有な逸材だと思うよ。大き過ぎないけど丁寧なヴィブラートも好みだし。
その Tommy とバトルを繰り広げるキーボード GianGiacomo Cattaneo (スゲー名前・・・ライヴでコールしにくそう/汗)もやや地味ながら印象的な部分もあり。
そしてゲスト・シンガー Omar Zoncada (TIME MACHINE) が聴かせるマイルドなハイトーン・ヴォーカルが、実はナニゲに高ポイント。ネオ=クラシカル原産地である北欧勢のそれに近い「やや情けない系の魅力」が生むアレ系の雰囲気を持ってたりするんだよな。
惜しむらくは、楽曲のばらつきが気になること。前述のオープニング・チューン #1 "The Dark Fire"、そして #4 "Against the Erudite", #9 "Gorgoroth's Fire" という3曲の疾走チューンは、イタリア産らしいシンフォニック・メロディック・スピード・メタルのエピックな味わいをも孕んで実にスリリングに聴かせてくれる強力な出来なんだけど、その他の曲がヘヴィ系ありバラードありキャッチーな曲あり・・・と、ヴァラエティを出そうとして少々焦点がボケてしまっている感じ。ま、その3曲だけでも充分お釣りが来るほどだからイインだけどさ。
コレだけじゃなくて、ぜひ次作も出して欲しいッス!
(Feb. 26, 2003)