Impressions
ジャーマン・スラッシュの重鎮 KREATOR の約4年ぶりとなる 11th アルバム。
昔からジャーマン・スラッシュの類は DESPAIR と PARADOX くらいしか好みにヒットせず、この KREATOR も“三羽烏”とされる SODOM,DESTRUCTION とともにイマイチ興味の対象外だったりするんだけど、本作の「メランコリックなギター・プレイが充実!」という巷での好評っぷりが気になって久々に購入。
オレ的には彼らが "Outcast" ~ "Endorama" で見せたダークで重厚なゴシック風味こそが魅力的だと思えていただけに、スラッシーな原点に戻ったという本作の風評はいささか心配だったが・・・オープニング・チューン #1 "Enemy of God" を聴いてホッと一安心。歯切れ良いスピード感と圧し掛かる重量感がバランス良く対峙する古典的なスラッシュ・メタルは思いのほか気持ちよくて、理屈抜きで自然と頭が前後に激しく揺れるもんね。
生身のアグレッションが剥き出しになった鞭打つ刺々しさの中に、前述の2作で培ったダークな叙情美がちゃーんと息衝いていたのも嬉しく、Gothenburg 系メロディック・デス風味の慟哭を塗した #6 "Voices of the Dead"、ヘヴィな悲壮感を漂よわす #10 "Dying Race Apocalypse"、そしてメロディックに疾走する #11 "Under a Total Blackend Sky" からメランコリックに繋がるドラマティックな終曲 #12 "The Ancient Plague" の流れには、思わず色んな物がググッとこみ上げて来たデスよ。
しっかし、古参バンドでありながら、こうして新鮮なエネルギーをガッツリと封じ込めた作品を提示してくる Mille Petrozza (vo, g) の本気度には、マジ恐れ入るわ。そうして敬意を払いながら聴くと、彼のテンションが張り詰めた絶唱も“漢のカッコよさ”に満ちているようだ。(ホントは彼の歌、あんま好きじゃないんだけどね~/苦笑)
結局、最初期待したギター・プレイ自体は客演の Michael Amott (g/ARCH ENEMY, SPIRITUAL BEGGARS) のプレイを含めてまぁ KREATOR にしてはソコソコ悪くないかもなぁ・・・って程度だったんだけど(失礼/汗)、それ抜きに、楽曲自体が発散するエネルギーに計らずもスラッシャー魂を揺さぶられてしまったカタチ・・・。
(Feb. 18, 2005)