Impressions
フィンランド産極寒シンフォニック・メロディック・ブラック。
クオリティこそ他から抜きん出て高かったものの、その聊か類型的かつ起伏の少ないサウンドに、聴いて少々肩透かしを食らわされた前作 "Morning Crimson" から今日までの間にバンドに何が起こったのかは知らないが、本作では我が耳を疑うような飛躍的に進化を遂げている。
ネオ=クラシカルな趣すら感じさせるスリリングなギター・プレイと、禍禍しい大仰なシンフォニック・ストリングスで味付けした極寒の大地に木霊する寒々しくもリリカルな泣き泣きフレーズを大胆に一曲一曲に封じ込め、アグレッションと叙情の交錯する極上のドラマを見事に創り上げている。
余裕のある演奏とクリアで良好なプロダクションは、これまで彼らがお手本にしてきたであろう DIMMU BORGIR に並肩する(いや、超えたかも!)と一瞬でも思わせる程の高レベル。
うむ、かなり気に入りましたデス。(にこ)
満足度 : 88%