Impressions
BAL-SAGOTH / The Chthonic Chronicles (2006)
True Kings of Bombastic Baroque Britannic Battle-Metal バンド(長い!/笑)BAL-SAGOTH が5年振りに放つ待望の 6th アルバム。
Wacken 2004 で体験した「あ~ぁ、観なけりゃよかったよ…」的な激ショボ・ショウの悪印象から、本来なら期待高まりまくりのハズだったこの久々の新譜にもイマイチ食指が伸び辛くなってたけど・・・こうしてスタジオ作では完成度高く仕上げてくるのはやっぱり流石だなぁ。
ド派手なオーケストレーションを伴ったシンフォニック・ブラックの上で、Byron 先生の朗読ヴォイスが古語を交えながら H.P. Lovecraft インフルエンスな文学的暗黒歌詞世界をミステリアスに綴る超ドラマティックな一大叙事詩は、これまでと全く不変の BAL-SAGOTH 以外の何者でもない出で立ち。本作は初期に通じるアグレッシヴなブラック・メタル色を随分と取り戻しているようで、そのせいで前々作 "The Power Cosmic" ~前作 "Atlantis Ascendant" で強く感じられたマンネリ感がいくらか軽減された感じがするのが好印象だ。
最初、オーケストレーション/メタル・パート双方から感じたやや軽めのチープさに前述のライヴ時の悪夢が脳裏をよぎったりしたけれども、中盤 #4 "The Obsidian Crown Unbound" あたりから爆発的に盛り上がり始め、完ッ全に映画音楽な #9 "To Storm the Cyclopean Gates of Byzantium" を頂点としてラストのデビュー作への回帰を暗示する終曲 #12 "Return to Hatheg-Kla" まで一気に雪崩れ込む怒涛のスペクタクルは、結果的にスゲー楽しめたデス。今後リピートするにつれ色々見えてきそうな奥深さアリな所も◎。
DRAGONFORCE に移籍した Dave Mackintosh (dr) の穴は、後任に就いた Dan Mullins (dr/THE AXIS OF PERDITION) の凄腕っぷりのおかげで全く影響ナッシング。
(Apr. 10, 2006)