Impressions

ETERNAL TEARS OF SORROW / Before the Bleeding Sun (2006)

投稿日: 2006/05/20

フィンランド産キラキラ・メロディック・デス・メタル・バンド ETERNAL TEARS OF SORROW の 5th アルバム。

Antti Kokko (g), Pasi Hiltula (key) の両名の脱退によって一時活動を停止していた彼らだが、後任に Risto Ruuth (g/SCYRON), Janne Tolsa (key/TAROT, KENZINER, VIRTUOCITY) を迎えてここに描くのは、苦境を乗り越えた見事な復活劇。

持ち味である激烈メランコリック・デスの骨格を成す絶望的慟哭の壮麗な味わいは些かも変わらずも、Jarmo Kylmanen (♂clean-vo/SCYRON), Miriam 'Sfinx' Renvag タン (♀vo/RAM-ZET) の2名のゲスト・リード・シンガーの適所への起用がキャッチーなヴァラエティ感を生んだ楽曲から感じられるのは、これまでにない明快なフックが冴えるまとまりの良さ。

新たにバンドに加わった両名が自らの実力を誇示せんと踏ん張る新鮮なスリルも美味しく、Janne Tolsa の様式系バンドで培った良質のネオ=クラシカル・センス、そして隠れた実力派 Risto Ruuth がそれに負けじと炸裂させるネオ=クラシカル魂満載のウェットなファスト・プレイが交錯する様は、本作の大きな魅力だ。

そんな彼らが悶絶テクニカル・リックの嵐を吹き荒らす #1 "Sweet Lilith of My Dreams", #4 "Upon The Moors", #8 "Tar Still Flows" らの十八番的チューンにグッと来るのはもちろん、ノーマル・ボイスが映える FOR MY PAIN 的ゴシック・チューン #3 "Red Dawn Rising"、そしてシンフォニックに高揚するゴシカル・アンセム大作となった終曲 #9 "Angelheart, Ravenheart (Act I: Before the Bleeding Sun)" 等での異色風味なアクセントが全体の流れに深みを与えているのがいいね。迫力の欠如が懸案だったベース兼任シンガー Altti Vetelainen のデス・ヴォイスも、本作ではあからさまな弱さを感じなくなった気がするし。

ちなみにバック・ヴォーカルとして Tony Kakko (vo/SONATA ARCTICA), Marco Hietala (vo, b/TAROT, NIGHTWISH) も参加。

 (May 05, 2006)

満足度 : 87
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