Impressions
様式派ギタリスト Thomas Wolf 率いるこの STORMWIND、これまでは女性シンガーをフューチュアしていたが、この新作ではいきなりシンガーを男性にチェンジしている。しかもなんとその「男性シンガー」とは、Thomas Vikström (TALK OF THE TOWN, CANDLEMASS, BLAZEN ABBOT etc.)ぢゃありませんか!!
収録されているのは相も変わらずに典型的な様式美 HR/HM ばかりで、それなりに哀愁メロディだのネオクラギター/キーボードだのは安心して楽しめるが、革新性/意外性は皆無。
親方である Thomas Wolf のギタープレイは、Axel Rudi Pell, Lars Eric Matsson らのように「気分を害するほどのド下手」ではないが、テクニック的にはあまりレベルは高くなく、ネオ=クラシカルな早弾きを披露するものの、不味いリズム・プレイとざらついた耳障りな音質、ソロでの均一で平坦なトーンも手伝って、やや不安定な印象だ
反面、「もう一人のThomas」、Thomas Vikström のナチュラル&ニュートラルな熱唱は、非常にいい感じで、「Thomas効果」によるヴォーカルパートの充実は、並み以上でも以下でもない楽曲群を、ワンランク上に押し上げていると思う。
満足度 : 82%