Impressions
THE ANCHORET / It All Began with Loneliness (2023)
投稿日: 2025/07/10
カナダのプログレッシヴ・ロック/メタル・バンドTHE ANCHORETのデビュー作。
これは・・・「プログ・メタル寄りのブログレッシヴ・ロック」なのか「ブログレッシヴ・ロック風味が強いプログ・メタル」なのかはさておき、とにかく凄い。
哀愁のポンプ・ロック、アヴァンギャルドなクラシック・ロック、エクストリームなメタルエッジ、泣きのユーロ・シンフォ。それらがオーガニックなインプロヴィゼーションを繰り返しているようで実は理路整然と計算され尽くした知的でしかないサウンドは、もうそろそろ出尽くした感のある「音楽」という文化のこの先にまだ未知の可能性があることを知らしめるような、圧倒的なエキサイトメントに満ちている。
Leo Estalles(g)が爆発させる泣っき泣きのテクニカル・ギター、Andy Tillison(key/THE TANGENT, PARALLEL OR 90 DEGREES)がサウンドに与える彩りと風格、Eduard Levitsky(b)とJames Knoerl(dr)による驚異的なリズムトラック、そしてSylvain Auclair(vo/HEAVEN'S CRY)のエレガントな歌唱。アルバムトータルとして全ての瞬間がハイライトでありながら各曲それぞれにも個性・フックがしっかりと備わり、この手のバンド/作品にありがちな「全体の雰囲気は凄いけど各曲それぞれは記憶に残らない」という罠に陥っていないのがまた凄い。
OPETHやIHSAHNらの偉大な先人が目指そうとしているステージのその先に既に到達しているとも思える、世界の勢力図を一変させかねない大傑作かと。
満足度 : 97%