Impressions
悶絶イタリアン・メロディック・スピード・メタル・バンド LABYRINTH の、約3年振りのリリースとなる 4th アルバム。
前作 "Sons of Thunder" で垣間見せた拡散への迷いを上手く消化し、神盤である 2nd "Return to Heaven Denied" の頃に半歩だけ立ち戻ったかのドラマティックな疾走メタルをメインとした楽曲スタイルは、デビュー作で顕著だったテクノなデジ風味と 3rd でのプログレッシヴな味わいを上手く採り込んだ、現時点での集大成とも言える作風。
常に美旋律を撒き散らしながら疾走する、復活に賭ける勢いに乗ったそのプレイは、これまでになくタフでストロングな印象だ。
最初聴いた時は、不思議な程にイマサンな音質(ホントに音悪いデス…)のせいか悪い部分ばかりが耳についてどーにも微妙な表情になっちゃったけど、繰り返し聴くうちにやっぱ Roberto Tiranti (a.k.a. Rob Tyrant) のしなやかな声の魔力に侵食されてしまったッスわ。うん、とってもイイかも!(笑)
中心人物だった割にはその稚拙なギター・プレイで一人足を引っ張っていた Olaf Thorsen の脱退の穴を完璧過ぎるほどに埋める元々 2nd ギタリストだった Andrea Cantarelli (a.k.a. Anders Rain) のメロディック&テクニカルなプレイは、Olaf の約69倍の安定感を持ち合わせた煽情力の高いものだし、ゴストーゾな鍵盤奏者(笑)Andrea De Paoli (a.k.a. Andrew Mc.Pauls) の時にオールド・テイストを隠さないセンスフルなキーボード・ワークも非常に効果的。
強力な疾走チューン #8 "Synthetic Paradise" にグッとキながらも、哀愁たっぷりのミディアムな #9 "Hand in Hand" に心酔中ナリ。
(Jun. 25, 2003)