Impressions
スペインから出現したヴァイキング/ペイガン・メタル・バンド RUNIC のデビュー・アルバム。
オーケストレーション/笛/パイプ/女声/ヨイク等をたっぷりと配しながらフォークロアなクサメロを奏でる一方、意外な安定感を見せるエモーショナルなギター・ワークを中心に叙情派メロディック・デス・メタルとしてのエキサイトメントをも封じ込めた「キラキラ系ヴァイキング全部入り」なドラマティックな慟哭サウンドは、これがデビュー作ということを感じさせない堂々たる出来栄え。
どっしりと構えつつも時に疾走も厭わぬアグレッシヴな勇壮挽歌は、ちょうど TURISAS と EQUILIBRIUM の中間あたりに位置すると思える風情で、戦場に吹き鳴る角笛や血に飢えた剣達の鬨の声が曲中の随所で描く悲愴なるバトル・シーンの数々に、我がヴァイキング・ブラッドは無条件で熱く滾ってしまうデスよ。(悶)
#1 "...When the Demons Ride (魔力の復興)", #7 "Vs Myself (我こそが最大の敵)" らをはじめ惹きの強い佳曲を揃えながらも確かにやや個性に欠けるキライはあるものの、“情熱の国”南欧スペイン出身にも関わらず、ここまでしっかりと北欧神話系な民族的叙事詩の味わいを醸し出すことに成功している事実には驚きを隠せないッスわ。今からもう次作が楽しみで仕方ないし。(^^)
(Jun, 01, 2006)
満足度 : 88%