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QUASER / Phase Transition (2003)

投稿日: 2004/12/17

関西をベースに活動する国産プログレッシヴ・ロック・バンド QUASER の 3rd アルバム。

めくるめくキーボード・ワークとメタリックなギターが生む緊張感と穏やかな日本語歌唱の対比が印象的なテクニカルなプレイに支えられた緻密なサウンド・スケープを聴いてまず驚いたのが、リーダー Takuya -Whogets- Morita (vo, key) をはじめとする各メンバーの懐の深さとそれが生んだ完成度の高さ。全体をまとめ上げた大きな器こそプログレッシヴ・ロックのそれなのだが、その中に詰まった様々な要素の調理のされ方が、ただのメタル小僧には100万年かかっても到達できそうにない幅広い経験と深い知識に基づいたアイデアに満ちたアレンジで覆われているている凄さに圧倒されてしまう。

だからといって、ただ頭でっかちな「机上派眼鏡系プログレ」ではなく、それぞれのプレイに「ロックの生々しさ」を感じさせるエネルギーがしっかりと充填されているというのが非常にナイス。

中でも特に、Masami Katsuura (g) の場違いなほどに弾きまくるギター(苦笑)には、やはりメタラー的にはどうしても本作中ずっと耳が惹かれっぱなし。激しいながら非常になめらかでもあるテクニカルなプレイは「日本にもこんな弾ける人がいたんだ!?」という思いを生みますわ。

楽曲的なバランスの良さも魅力的。確かにプログレ深度の非常に高い難解な構成ではあるのだが、やや不条理な暗黒テイスト(って、これがまた好みなんだけど)の合間に感情移入し易い明快なメロディが豊富に散らしてあり、それが良質のフックに繋がっている感じ。

#2 "Promised Land II" のラストから #3 "Promised Land III" に繋がる部分、そして #9 "Promised Land IV" の中盤以降などで聴かれる、曇天の田園でまどろむようなメランコリーが折り重なってゆく静の場面からリズミカルに展開してゆくドラマティックな風合いの聴き応えには、かなりの満足感を得られたデス。

気になった部分としては、音像がややエッジに欠けている点が挙げられるかも。意図的なのかも知れないけど、なんとなく「カーン」と響かずに「バシャ」って鈍く広がってる感じ? スイカが叩き砕けているのではなくて、苺大福が潰れている(苦笑)ような・・・文字だと上手く表現できないけど、とにかくなにかあと一歩突き抜けて届いてこないもどかしさを感じる音像なんだよね。

そして、QUASER 最大の特徴でもある「日本語である」という事実も、正直やはり違和感アリ。このあたりは本当に個人的な嗜好なのでアレなんだけど、言葉がすんなり耳に入って来すぎて(汗)そっちに気を取られてしまうというか・・・。ただ、そんな好み云々を超えて、歌詞の自然な語感は非常に好印象ではありました。
 (Apr. 13, 2004)

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