Impressions
MAGNITUDE 9 / Reality in Focus (2001)
投稿日: 2001/01/20
テクニカル7弦ギタリスト Rob Johnson の超テクニカルなファスト・プレイをフィーチュアした、アメリカン・テクニカル・プログレッシヴ HM。
Rob Johnson のタッチ自体は従来どおり正確さとスピードが生むスリルに重きを置いたものだが、驚くことに、テクの羅列に終始しやや無機質で退屈だった前作とは打って変わって、歌/楽器共にその奏でるメロディに叙情風味をたっぷりと盛り込んできた。
もちろん、基本的な音像は米国産らしい都会的な垢抜けた硬質さに裏打ちされたクールなものだが、そのネオ=クラシカルなアレンジとシンガー Corey Brown のエモーショナルな歌唱が及ぼす効果と融合して、楽曲は「歌ものネオ=クラシカル様式美」かと思えるほどに非常にイイ雰囲気になっている。この上質な雰囲気が、実際の「曲の良さ」にゲタを履かせているのは否定しないが、ここまでの成長に先ずは拍手喝采だわさ。
本作には "Fright of Icarus" (IRON MAIDEN) と "Man on the Silver Mountain" (RAINBOW) の2曲のカヴァーが収録されているが、特に前者は Corey Brown の憧れの Bruce Dickinson への成りきり振りが微笑ましい出色の出来。
満足度 : 83%