Impressions
EMPTY TREMOR / The Alien Inside (2004)
デビュー作がボチボチだったんで 2nd はパスしてたんだけど、GENIUS ROCK OPERA, KHYMERA で聴けた Daniele Liverani のセンスの良さ、そしてなにより元 AT VANCE の Oliver Hartmann がシンガーの座に就いたという嬉しいニュースに後押しされて再度挑戦してみたこのイタリアのドラマティックなプログレッシヴ・メタル・バンド EMPTY TREMOR の 3rd アルバムは・・・やっぱりボチボチだったね!(泣笑)
派手めのシンフォニック・アレンジをソリッドなギターが切り刻んでゆくモダンな現代プロッグ・メタルは、御大 DREAM THEATER を最下層の下敷きにしつつ、抒情派 DREAMSCAPE の明快な部分や知性派 VANDEN PLAS の暗黒面ではない部分を抽出したような、まさに INSIDE OUT 系(笑)中堅ジャーマン・プログレッシヴ・メタル・ライクなサウンド。
手数王なドラムを始め技量的にはなんら問題ないメンバーによって、ちょいと頭ヨサゲな変拍子な捻りが加えられちゃったりしながらテクニカルに演奏される、スリリングだったり爽やかだったりゴージャスだったりする楽曲に、ニュー・シンガーとして迎えられた名手 Oliver Hartmann のメロディックな熱唱が歌モノとしての聴き易さを提供する・・・ハズだったんだろうけど、うーん・・・残念なことにこれがなんとも言い様のない地味ぃ~な感じ・・・。
まぁ簡単に言ってしまえば「曲がイマイチ」ってことになっちゃうんだろうけど、せっかくの Oliver の張りのある歌声が平坦な楽曲の上で無駄に響き渡る様を聴いていると、得も言えぬ勿体無さが込み上げてくるッスわ。ま、中盤のメロウなバラード #6 "Stay" が ADAGIO のソレ系に通じなくもないプチ感動的な出来映えなのが、唯一の救いといえば救い・・・と思い込むのが吉な今日この頃デス。
あ、そうそう、ずっと聴いてて「アレ? Daniele Liverani のギターってこんなだったっけ?もっと豊潤な旨味がなかったっけ?」っと思ったりしたんだけど、よーく考えたら Daniele ってここではキーボードぢゃんね。(苦笑)
その Daniele のキーボード・ワーク、80年代的な有機的味わいを含んだ音色やプレイからは、個人としての資質の高さ/センスの良さは伝わってくるんだけど、このバンドのサウンドの方向性からすると・・・ううむ、狙ってる線は解るんだけど、ちょいとハズし気味?
(Mar. 02, 2004)