Impressions
FATES WARNING の 2nd "Spectre Within", 3rd "Awaken the Guardian" という2枚の神盤にて、まさに“神演”と呼ぶに相応しい超絶歌唱を聴かせてくれていたその FATES WARNING の元シンガー John Arch が生きていた! 本作は、長い沈黙を守っていた彼の復活の狼煙となる(…かもしれない)記念すべき2曲入り EP だ。
本作で John Arch をサポートするのは、FATES WARNING の旧友 Jim Matheos (g), Joey Vera (b)、そして彼らの大ファンだと公言する DREAM THEATER の Mike Portnoy (dr)。
とにかく、往年の香りをプンプンと漂わす楽曲に乗って、老獪な表現力を増しこそすれ衰えを感じさせない John Arch の歌声を聴いた瞬間、マジで「おぉぉぉーーーーーーっ!」って叫んだね。もろちん with ガッツポーズで。ロング・トーンにコブシを絡めながらエスニックな音程を震わせる独特の歌いまわしの頻発には、泣き顔でニヤけるざるを得んっちゅーねん!
しかしこうして改めて聴くと、丹羽英彰 (VIGILANTE) がこの John Arch から如何に多大な影響を受けてるかが、ほんとヨ~ク判るわ。
収録曲数は2曲とはいえ、FATES WARNING 譲りのスリリングなプログレッシヴ・メタル #1 "Relentless" は12分23秒、アコースティックな感触ながら深みのあるプログレ風味の #2 "Cheyenne" は15分37秒・・・と合計約28分に達し、聴き応え充分。
この長さ、曲を「大作」として上手くまとめるのではなく、John Arch 自身から湧き出るフレーズをどんどん繋ぎ合わせていったらこうなっちゃった・・・ってな、ある意味取りとめの無さを感じさせるものではあるが、完全に地下に潜伏していた状態から復活するに際しての名刺代わりだと思えば、充分すぎるほどに刺激的な内容だわ。まぁちょっと贔屓入ってるけどね。(苦笑)
(Jul. 04, 2003)