Impressions
DRAGONFORCE / Valley of the Damned (2003)
ブリティッシュ・メロディック・ハイ=スピード・メタル・バンド DRAGONFORCE のデビュー作が、延期に延期を重ねた末にやっとのことで国内リリース。
まさに「光速」という形容がピッタシの呆れるほどに疾走疾走また疾走なその極端なスタイルは、現時点での「キング・オブ・ドラゴンメタル」の称号を付与されるに相応しいインパクト。
Didier Almouzni (dr), Diccon Harper (b/Support) の強力なリズム隊によって生み出される抜群の疾走感はとにかく絶品で、その上でシンガー ZP Theart が気持ちのいいハイ・トーンでいい意味で子供騙しな(笑)判りやすいメロディを綴ってゆく様は、たとえ Herman Li & Sam Totman のコンビによる時折妙に不快感を感じるモジュレーションを交えた深みに欠ける薄っぺらなピロピロ・ギター・パートに失望したとしても、それを超越した有無を言わさぬ凄みを与える「何か」の存在を信じさせる。
疾走一辺倒かと思いきや、大陸的空気を美味く取り込んだバラードやボサノヴァ風味の新鮮なアレンジなど、その引き出しの奥行きが意外な程に広そうなのも今後の可能性を感じさせて面白いな。
#4 "Black Winter Night", #7 "Revelations", #9 "Heart of a Dragon" と優れた佳曲が多くて嬉しいが、中でも「躁」の度合いが比較的少ない #3 "Blackfire" は超ツボ! マジでめっちゃカッコイイわ。
ボーナストラックの #10 "Where Dragons rule" は、曲名見て勝手に CRIMSON GLORY のカヴァーかと思って期待してたら・・・全然違ってた・・・。(x_x)
(May 19, 2003)