Impressions
フィンランド産メロディック・メタル・バンド CARDIANT の3rdアルバム。
前作2ndは1st発表後にメンバーの過半数が交代するという大規模な人事異動を経てのリリースだったが、本作はその前作と同じメンバー5人に専任女性シンガー Outi Jokinen 嬢を加えた男女ツイン・ボーカルの6人組という新編成で制作されている。
いわゆる「優等生型フィニッシュ・メロディック・メタル」の素地を持ちながらも、そこから一歩横道に逸れたような80年代テイストの王道ハード・ロック風味、そしてやはりその年代の北欧メタル由来の透き通った哀感の強さがこの CARDIANT の魅力なのだが、一聴してその楽曲の質をこの4年の間に随分と研ぎ澄ましてきたなぁという印象。中でも #8 "Stranger in Me" は本年度を代表することになろう超弩級の名曲で、この1曲だけでスウェーデンの PLATITUDE (残念ながら解散済) や同じくフィンランドの LEVERAGE (こちらは現存) という同系グレート・バンド群の牙城に迫る高みにバンドを導いていると言っても決して過言ではない。
まぁシンガーもギターもうちょい上手ければ(&個性的だったら)もっと最高なんだがなぁ、とも正直思ったりするけど、そのあたりがいい感じに野暮ったいからこそ、センスの良いメロディがストレートに響いて来ているに違いない・・・と前向きに捉えております。(笑)
満足度 : 89%