Impressions
BATTLELORE / ...Where the Shadows Lie (2002)
Weapons! Weapons! Magical Weapons! Weapons!
フィンランドから突如出現した True Arctic Fantasy Metal Band BATTLELORE は、もし RHAPSODY のメンバーがこの BATTLELORE の存在を知ったら号泣しながら地団駄踏んで悔しがることが容易に想像できる究極の「ロール・プレイング・メタル」。
なんつっても、メンバーが
Thrangull (Miika Kokkola : Bass)
種族:Human
職業:Fighter
武器:Hand-Axe, Shield
Lalaith (Kaisa Jouhki : Female vocals)
種族:Wood-Elf
職業:Ranger/Scout
武器:Longsword, Hunter's Bow
Scaurum (Jyri Vahvanen : Guitar)
種族:Human
職業:Magician
武器:Spells, Staff
Uglur (Henri Vahvanen : Drums)
種族:Half-Orc
職業:Thief/Assassin
武器:Dagger, Knives
Halltar (Maria : Synthesizer)
種族:Half-Elf
職業:Sorceress
武器:Spells
Azog (Patrik Mennander : Clean male vocals)
種族:Uruk-hai
職業:Warrior
武器:Battle-Axe, Mace
Gwaeron (Tommi Havo : Raging vocals, Guitar)
種族:High-Elf
職業:Paladin
武器:2xBroadsword
ってな、鎖帷子の戦士/美しきエルフ嬢/手から光線発する魔導師/小賢しげな盗賊半オーク/超美女な半エルフ魔女/全身緑色のオーク戦士/とんがり耳で顔色の悪いエルフ剣士・・・の7人パーティだもの。(苦笑)
で、そんなこけおどし臭いコスプレ軍団が繰り広げる、J.R.R.Tolkien の名作「指輪物語」をモチーフにした古代の剣と魔法の世界はきっとイロモノ寸前の失笑ファンタジー・メタルに違いない・・・と思いきや、これが驚くことに意外にもまとも・・・ってゆーかハイ=クオリティとさえ言えるヘヴィでメタリックな力強さを打ち出した上質な音世界。
ファンタジー系によくあるオーケストラル/クラシカルなシンフォニック・アレンジはホンの味付け程度に控え、ダーク・メタルなリフ攻撃に耽美ゴシックの暗黒美が絡みこれまた意外にもインダストリアルなデジ=ロックの風味までもを垣間見せる多彩なる表情は、まさにドラマティックで、余裕あるテクニックと細部まで気を遣ったクリアなプロダクションが見事な安定感を与えている。
このファンタジーの語り部となっているのはデス・ヴォイス、クリーン・ヴォイス(緑色のクセに!/笑)、そして女声なんだけど、このとんがり耳を持つキュートな Lalaith@Kaisa 嬢の声色そして歌われるメロディがホントに超ストライクなんだよね。特に "Journey to Undying Lands" なんかでのフワフワながら芯の通った声がたまんネーっすよ。メッチャ好みだっつーねん!
まぁギター・ソロらしいギター・ソロが殆どないのをはじめ、楽器陣のスリリングな見せ場という意味では少々物足りなさが残るのがチョットだけ残念ながら、この馬鹿馬鹿しい突き抜け方は天晴れ天晴れ。メタル人生のなかで忘れられない一枚になりそうだ。