Impressions
デス・メタル・バンドとしてデビュー以来、一貫して深遠なる暗黒美を描きながら作を重ねる毎にその本質を徐々に露わにし続けてきた ANATHEMA だが、6th アルバムとなる本作では、ついに前作まではホンの僅かながら残っていた暗黒臭を完全に撤去したどころか、ハード/ヘヴィですらない「普通のロック」と言える手触りにまで変貌を遂げた。
とは言っても、この PINK FLOYD を想起させるような英国独特の思慮深さを感じさせる穏やかな内省ロックは、先述したように ANATHEMA の本質には些かの悪影響も与えていない。
時にハッとする美しさを見せながらも淡々と時を綴る心象風景描写は時に退屈さを誘う。・・・が、それでいいのだ。その荒涼たる精神世界を旅する退屈さに酔うのが、このある種プログレッシヴな陰鬱音楽の楽しみ方なのだから。
とはいえ、あれほど美味しかった耽美色が皆無なのは、正直ちょいと悲しいやね。泣き派としては。
満足度 : 81%