Impressions
SILENT VOICES / Building Up the Apathy (2006)
投稿日: 2006/12/22
現 SONATA ARCTICA の Henrik Klingenberg (key) を擁するフィンランドのプログレッシヴ・メタル・バンド SILENT VOICES の 3rd アルバム。
シンガーの James LaBrie 似の声質を引き合いに出すまでもなく DREAM THEATER(の主にダークサイド)の影響下のサウンドだが、前作で実感させた大きな飛躍をさらに推し進めたかの充実っぷりが、徐々にこの SILENT VOICES 独自の色合いを滲み出させ始めている。
超絶技巧の鬩ぎ合いから生まれる有機的かつ骨太なロック・スピリットと北欧産らしい繊細な旋律美とを高次元で融合させ、すべてが6~10分の長尺な楽曲を抑揚に満ちた思慮深い構成力を以って聴き手をワクワクさせながら一気に聴かせることが出来るようになった成長力は、見事の一言だ。
SONATA では見せない引き出しの中身を惜しげもなく晒しまくる Henrik をはじめ、安定した超絶ファスト・プレイに目が眩む Timo Kauppinen (g)、パワーと手足技のバランスに優れたテクニシャン Jukka-Pekka Koivisto (dr) らの円熟の域に達したかの卓越した演奏の聴き応えも美味しい。
うん、いいバンドになってきたなぁ。
(Jan. 31, 2006)
満足度 : 85%