Impressions
イタリアン様式派プログレッシヴ・メタル・バンド DGM の美麗ジャケな 4th アルバム。
前作 "Dreamland" が超強力だっただけに否応にも期待が募るが・・・うーん、更なる飛躍を目指そうと色々手を広げた結果、チョイと焦点がボケ気味になっちゃった?(汗)
ヘヴィ but キャッチーなテクニカルな佇まいと堂々たる歌唱を雄々しく響かせる Titta Tani (vo) の Russell Allen 似の声質がもたらす「イタリアの SYMPHONY X」な印象は旧来通りに、本作は更に DREAM THEATER が表現している程度のコンテンポラリなロック~ジャズ/フュージョンな側面を大幅に強調した作風。
・・・なのはイイんだけど、そーゆーのって深い造詣があってこそ様になる部分だけに、やや懐の浅さが知れちゃってるのが残念。特にキーボード周りにそれが顕著で、その音像にしても線の細さが聴いてて非常にもどかしい。
それでもこの DGM に心酔してしまう理由は、イタリア No.1 ネオ=クラシカル・ギタリスト Diego Reali の存在! 本作でも、シングル・コイルのセクシーなトーンで奏でられるクラシカル+αな悶絶プレイのスリリングなエモーションには、顔が歪まされっぱなしだ。
そして Diego の影に隠れがちだけど、ベーシスト Andrea Arcangeli もカナリのセンスの良さを感じさせる(これが大事)相当なテクニシャン。ついつい耳がベース・ラインを追っちゃう感じね。
まぁアレコレ言いながらも、全体的にはより成熟した充実感が漂っているし、なによりフォロワー以上の魅力が感じられる好きなバンドには変わりないので、これからも楽しみにし続けるんだろうな。
ってゆーかぶっちゃけ、このイマジネーションの沸かないバンド名が、このバンドがイマイチ弾けない最大な要因のような気がしてるんだけど。(苦笑)
(Apr. 24, 2003)