Impressions
シンガーに元 CONCEPTION の Roy S. Khan を加えた "Siege Perilous" で驚きのエピック宣言をかまし、その後の前作 "The Fourth Legacy" では、そのクオリティと充実の叙情シンフォ・メタル具合に度肝を抜かれたこの KAMELOT、好ライヴアルバムを挟んでの待望のリリースとなったこの新作 "Karma" では、更なる進化を遂げている。
シンフォニックなイントロ "Regalis Apertura" から導かれるクラシック(これってパガニーニのヴァイオリン協奏曲だっけ?)をモチーフにしたドラマティックな "Forever" で幕を開け、3部構成の組曲 "Elizabeth" で大円団を迎えるに至るまで、全曲に亘って粒をビシッっと揃えてきたね。
ライヴアルバムでもその実力を見せ付けていた Casey Grillo のツーバス連打の鳴りの気持ちよさがヘヴィ・メタル特有の高揚感を誘いつつ、リーダー Thomas Youngblood の泣きの様式ギター・ワーク、そして Miro のキーボード&オーケストラアレンジの素晴らしさに舌を巻かざるを得ない、緩急の妙にわくわくするような楽曲群は、KAMELOT 独特の森深い邪教の寺院に迷い込んだかのようなエキゾチックなドラマティックさに包まれている。
そして何と言っても Roy S. Khan の夜露の潤いに濡れるしなやかな歌唱が、とにもかくにも絶品の輝きを見せている。こりゃもう Rob Tyrant とタメ張るね。中でも、生のストリングス・カルテットを配した激泣きアコースティック・バラッド "Don't You Cry" での歌唱は、鳥肌&滝涙必至なのだ!
満足度 : 91%