Impressions
US シンフォニック・ハードの雄 LANA LANE のレギュラー・アルバムとしては3年振りの7枚目となる本作は、William Shakespeare 作の戯曲 Macbeth をベースとしたコンセプトのミュージカライズ。
ファミリーに Kristoffer Gildenlow (b/PAIN OF SALVATION) を加え、Lana Lane (vo) & Erik Norlander (key, Produce) 夫婦を支えるバック陣を全員欧州人として臨んだこのコンセプト作は、そのテーマの選定が功を奏したのか LANA LANE の近作では最も統一感を感じることの出来る充実の一枚だ。
Lana の艶やかな成熟歌唱が時に暖かく時に力強く響くムーディなシンフォニック・ロック・・・という既に完全に確立された基本路線は変わらずも、これまでの作品の随所で登場する度にやや違和感を感じさせていたハード/ヘヴィな側面がやっとこさ本作で楽曲の中に嫌味なく溶け込んできたかのようで、従来だったら辟易してしまっていただろうオープニングいきなりの疾走チューン #1 "The Dream that Never Ends" も、今回はすんなりと耳に飛び込んでくる感じ。
適所でフィーチュアされたハード・エッジなリフの存在と、Peer Verschuren (ex-VENGEANCE), Mark McCrite, Neil Citron ら3人のギタリストによるよく泣く秀逸なソロ・パートのエモーションが描くフィジカルな抑揚が、この LANA LANE 独特のドリーミングな風合いを上手く強調しているようで、そのメリハリの効いたバランス感覚が今回は聴いててとっても心地良いんだよね。
ちなみに今回ドラムは Ernst Van Ee (HELLOISE) がプレイしているんだけど、聴いててやっぱ名手 Ed Warby (GOREFEST) のスーパー・プレイが恋しくなる・・・。
(Apr. 07, 2005)