Impressions
MORS PRINCIPIUM EST / The Unborn (2005)
“モスプリン”の愛称で老若男女すべてのメタラーに親しまれる(未確認)フィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド MORS PRINCIPIUM EST の 2nd アルバム。
フューチャリスティックなモダン・テイストが呼び込む北欧ならではの冷気漂うクールな空気感とアグレッションを増したエッジーな破壊力がさらに効果的に強調されたことで、スマートに整った激烈なブルータリティから展開と共に雪崩れ込む強烈な哀感が更なるコントラスト得たのは大きなトピックだ。
もちろん、2003年リリースの衝撃のデビュー作 "Inhumanity" で悶涙を搾り取った類稀なるキラピロ慟哭ギター・ワークは、本作でも縦横無尽に乱舞しまくりで(嬉)、リフやリズムの造り自体は所によって SOILWORK だったり IN FLAMES だったり CHILDREN OF BODOM だったり ARCH ENEMY だったりする(美味しいトコ全部やんけ!/笑)ものの、その凄まじきスリリング・センスで構築されるアメイジングなテクニカル叙情ギターの存在が、このサウンドを MORS PRINCIPIUM EST 独自の音像たらしめていると言えるだろう。
オープニング・チューン #1 "Pure" の歌い出しでいきなり飛び出す女声が意表を突きながら前半はやや小粒にまとまった感触を得つつも、後半、タイトル・トラック #7 "The Unborn", #8 "Fragile Flesh" での怒涛の畳み掛けと、思慮深い陰鬱ヘヴィネスに悶える #9 "Pressure" から美しい女声スキャットが激情のドラマの終焉を優しく告げる本編アウトロ #10 "The Glass Womb" への流れが発散するゴシカルな風合いは威力抜群。
ただ、その最大の魅力のギター・パートがやや線が細めな録れ方になってしまっているために、せっかくの悶絶感がリフの中に埋もれてしまって飛翔しきれないもどかしさを感じる場面があるのがちょっとだけ残念。。。まぁ些細なことなんだけど。
(May 29, 2005)