Impressions
TERRA NOVA / Make My Day (1999)
いきなり前作 "Break Away" に収録されていた全人類必聴の名曲 "Right Now" と同路線の、軽快な疾走感と仄かな哀愁、そしてUS プログレハード魂にテクニカルギターが舞う超絶オープニングナンバー、"Lovesick" からして、「もう許して下さいッ!」って感じ。(笑)
その他にも楽しげなホーンが導くキャッチーなメロディが印象的なタイトルトラック "Make My Day"、ギタリスト Gesuino Derosas の魅力全開のインスト "Anomaly"、アコーディオンと弦楽器をフィーチュアした個性的な哀愁ワルツ "I will be There"、そして文句無し TERRA NOVA 印 の "Where I Stand", "Promise You Wait" ・・・と今回も収録曲それぞれに独自のキャラが立った飽きの来ない作風はさすがの一言。「漢度ゼロ」の女々しい歌詞も超◎。共感できるわ~。(汗)
楽曲に対して難を言えば、あまりに常套手段で迫るバラードの面白味が欠けることかな。次作あたりで狂死確実の悶々泣き泣きバラードを入れてくれると嬉しいんだけど。
Fred Hendrix の魅力的なハスキー・ヴォイスは、やや力みがちな気負いが良い方に作用している珍しい例で、計算高すぎてやもすると人工的な感触を与える恐れのある TERRA NOVA サウンドに、親しみやすい人間臭さを与えるという重責を担っている。それとともに、ギター・ヒーローの如きに弾き捲くる Gesuino Derosas のセンス良くまとまったテクニカルなソロと、バンドに70年代風の「本格派の深み」を与えている Ron "どう見ても兄(笑)" Hendrix のハモンドを中心としたキーボードワークも見過ごせない。
これだけのバンドが日本以外では「無視」に近い扱いって、どーゆーことかしらん?(99/03/11)