Impressions
本作発売を前にFM 番組で聴いた "Into the Flame" の余りの素晴らしさに卒倒した。
シンガー Chris Ousey の、Eric Martin をも凌駕する情熱的なソウル・ガイぶりはもちろんのこと、相棒 Steve Morris(もしくは Kenny'Kaos'Loney ?)の 適度にテクニカルな泣き系のギター・フレーズ、ピアノをアクセントにしたアダルトな現代的なアレンジ、そして何より以前の作品からはうっすらとしか感じ取る事のできなかった「泣ける哀愁」の大幅導入!
しかし期待に胸を膨らませつつ対峙する事になった本アルバム "Miraclesby Design" 全般を見渡すと、失望する結果となってしまった。
収録された楽曲は、どれも「泣き」を主軸に都会的なアレンジを施した非常に多彩なパターンで、すばらしい完成度を誇っている。しかし! しかぁ~しぃっ! この HEARTLAND の最たる魅力でもある Chris Ousey 歌が問題なのだ。たしかにハスキーな声色・ソウル=フィールは他に類を見ない凄みを放っているが、彼の「歌詞を乗せるリズム」がどの曲でも殆ど同じため、「歌メロ」として非常につまらないものになってしまっている。これはもう「好み」ではなく、「才能の欠如」(彼だけではなく、彼の取り巻きも含めて)と言えるレベルだ。一曲一曲取り出すと"MEGA !" と言える曲が揃っているだけに本当に残念だ。
満足度 : 79%