Impressions
MASTERPLAN / MkII (2007)
元 HELLOWEEN のギタリスト Roland Grapow (g) 率いるメロディック・メタル・バンド MASTERPLAN の3rdアルバムは、Jørn Lande (vo), Uli Kasch (dr) の脱退というバンドの危機を、後任に Mike DiMeo (vo/ex-RIOT), Mike Terrana (dr/ex-RAGE etc.) という「二人の Mike(≒Mk II)」を迎えて乗り越えた起死回生の一枚。
バンドの魅力の中核を担っていた両名が離脱しちゃってどうなることやら・・・と思いきや、それによるデメリットは嘘のように皆無! それどころか、キーパいメロパワとオーセンティックなハードロックが融合したスタイルの中で Mike DiMeo が持ち前の微ブルージーなエモーション・ヴォイスでいい感じに付加するアダルトな風味は、これまで以上にバランスよく響いてくる勢い。まぁ、そう感じるのもオレが RIOT でも強硬な「DiMeo 派」だったり、ここんとこ Jørn Lande の「単色な濃厚さ」に少々飽き気味だったせいでもあるんだろうけどね。
Roland は、そのギター・プレイこそ相も変わらず突っ込みどころ満載だけど(笑)、今回 #4 "Keeps Me Burning", #6 "I'm Gonna Win", #10 "Masterplan" をはじめとする印象的なメランコリック・メロディが炸裂する出来の良い楽曲を揃えたセンスの良さには、舌を巻くばかりだ。
欲を言えば、Mike Terrana が「For the Band」に徹したやや控えめなプレイに終始しているのがちょっと拍子抜けだったりするけど、まぁ彼の笑いを誘われる程の怪物っぷりはライヴでのお楽しみってことで。
(Mar, 17, 2007)