Impressions
HOLY SAGGA / Planetude (2002)
投稿日: 2002/12/20
ブラジルの新星 HOLY SAGGA のデビュー・アルバム。Sascha Paeth がプロデュース&ミックスを手掛けた本作は、「ブラジルから ANGRA 以来の一級品のメロディック・パワー・メタルが登場!」と思わず叫びたくなるほどの驚きのクオリティに包まれた、実に強力な印象だ。
シンガー Mauricio Queiroz の Andre Matos に通じる柔和さを備えた歌唱の質感を引き合いに出さずとも、お手本となったのは紛れも無く祖国の先輩であり英雄である ANGRA だろうことが一目瞭然のメロディック・メタルだが、専任鍵盤奏者 J.A. Cardillo の存在が欧州シンフォニック・メタル的なアッパーなカラフルさを加味しているのが、なんとも今の時代っぽい。
ただ、この全体の品質とそれぞれの楽曲の出来の良さに驚かされつつも、このスマートな落ち着き・・・というか、ハヂケのイマイチ足りなさが醸し出す「地味さ」が存在するのもまた事実で、XaMetalic な強力疾走チューン #2 "Searching for the Sun", #10 "Dagger of Words" でも、悶絶を誘われる一方でどこか物足りさなさを感じちゃうんだよね。一方で、#7 "N.O.V.A." のようなややアダルトな感触のミドル・チューンが妙にハマっている様を聴くと、バンドの本質はむしろこっち側なのかなぁ・・・とか思ってみたり。
各人のプレイは充分にワールド・クラスだが、その中でも特に凄みに満ちた叩き込みを聴かせるバンドのバッテリー Gabriel Lobitsky のやや叩き過ぎ気味(笑)のドラミングは、実に聴き応えあり。
満足度 : 84%