Impressions
DIMENSION ZERO / Silent Night Fever (2001)
現 IN FLAMES の Jesper Stromblad そして元 IN FLAMES の Glenn Ljungstrom のギター・コンビ(Jesper は Bass も担当)、元 MARDUK のシンガー JOCKE GOTHBERG、LUCIFERION, DIABOLIQUE のドラマー Hans Nilsson という魅力的な経歴を持つスウェディッシュ・メロディック・デスラッシュ・バンド DIMENSION ZERO が、1998年に MCD "Penetrations from the Lost World" をリリースしてから約4年弱・・・。誰もがそのバンドの存在を伝説視し始めていただろうが、ところがどっこい彼らは秘密裏に生き長らえ、しかも超待望だったフル・アルバムを突然ここに提示してきた。
"Through the Virgin Sky", "They are Waiting to Take Us" というデビュー MCD 収録曲のリ・レコーディング・ヴァージョンが違和感無く配置されていることからも窺い知れるように、この全10曲34分の粗暴なようで丹念に作りこまれた猛爆デスラッシュは、前作同様の路線。曲中に叙情リフを絶妙に練り込みながらも全開のアグレッションがアドレナリンを瞬時に沸騰させること必至の激烈ミュージックは、最も IN FLAMES っぽさを感じさせる "Not Even Dead Yet" を筆頭に、整合が取れていながらも野蛮さをも感じさせるハイ・クオリティな仕上がりだ。
ただ、この3年の間のエクストリーム・ミュージックの進化を考えると、この「予測の範囲を逸脱しなさ」に少々肩透かしを感じちゃったりするのも正直なところ。
そしてもう一つ残念なのは、本作では「リフの一部」としての単音&ハーモニー・ギター以外のいわゆる「ギター・ソロ」に相当する部分が一切排されており、前作で聴かれた Fredrik Johansson (DARK TRANQUILLITY の彼とは同名異人) が紡いでいた叙情ギター・ソロにこの DIMENSION ZERO の魅力の一部を感じていたオレにとっては、チョイとショックでかかったッス。。。