Impressions

SUN CAGED / Sun Caged (2003)

投稿日: 2003/11/20

オランダから登場した新鋭プログレッシヴ・メタル・バンド SUN CAGED のデビュー作。

シンガー Andre Vuurboom の歌唱が声質/フレージングともに James LaBrie を想起させるものであるのはもちろん、めくるめく超絶テクニックをメロディックに炸裂させたその楽曲群から受ける印象はモロに DREAM THEATER そのもの・・・ですが何か?

ダーク&ヘヴィに反復する内省リフの合間から浮遊系メロディが見事な飛翔を見せる明暗のバランスの絶妙さは、DREAM THEATER 系といってもその中で最も My Favorite な "Awake" 期をお手本にしたと思えるセンスの良さで、それらが軽くワールド・クラスの卓越した技量&高品質なプロダクションで展開されているとなれば、本作から得られるのは模倣に対する蔑視を超越した満足感でしかない。

中心人物でもあるギタリスト Marcel Coenen (ex-LEMUR VOICE) の存在。Hubi Meisel のアルバムで披露していた、欧州のギタリストらしいネオ=クラシカルな素地が染み込んだ泣き度の高いスリリングなアメージング・プレイが全編に亘って思う存分堪能できるのが非常に嬉しいな。

非常にメロディックなだけに「歌モノ」にも成り得る箇所が多々ありつつも、インスト・パートの比重のせいで歌メロのフックが少々中途半端に感じられたり、「キメの一曲」がすぐには見当たらない・・・ってなこの手のプログ・メタルにありがちな欠点があるのは事実にしろ、このクオリティの前にはとりあえず圧倒されたッス。
 (Nov. 20, 2003)

満足度 : 86
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