Impressions
TRIAL OF TEARS の元シンガー Helena Iren Michaelsen 姐御率いるニュー・バンド IMPERIA のデビュー・アルバム。
古代エジプトの雄大な歴史絵巻が瞼の裏に浮かぶ大仰なオーケストレーションを施したヘヴィ・メタルな音像と、その上で響き渡る Helena のパワフルなソプラノが作り出すドラマティックな楽曲は、AFTER FOREVER, EPICA のスタイルに近いと言える佇まい。
そんな魅惑的な路線とは裏腹に、絢爛豪華な壮麗さを誇りながらも深みに欠ける安易なシンフォ・アレンジや、Arien Van Weesenbeek (dr/GOD DETHRONED) をはじめ巧者を揃えたはずのバック陣による面白みのない平坦なプレイ、そしてそれらが全体的に今ひとつ噛み合っていないと感じさせる楽曲はイマイチ魅力に乏しく、なんとももどかしい感じ。
ただ、そういった中でサウンドの印象の主導権を握る Helena の歌声の存在感はサスガの一言。いつの間にか「Bitch な爆乳エロ歌姫」と化したセクシーな容姿(もしかして本人はエジプトの女神 Qetesh のつもり?/汗)の是非はさて置き、その指輪系な曲名だけでそそられまくる #4 "Mordor" やクリアな清廉チューン #5 "Angelchild" らの、前述したようなアレンジ/プレイ面での弱点が比較的表に出てきにくいシンプル or メロウな曲々で響く、女声ゴシック・メタルとしては確実に極上の部類に入るだろう表情豊かに変化する力強いソプラノ歌唱のインパクトは絶大だ。
Helena は既に ANGEL なる新たなゴシック・プロジェクトも準備中とのこと。既に Black Lotus から発表されているイメージ・フォトは、相変わらず激エロくも耽美ゴシック的な優美さにも満ちたものだったので、そちらにも期待大だな。
(Mar. 04, 2005)