Impressions
ULVER ってブラック・メタルじゃなかったっけ? アルバム丸ごとは聴いたことないけど、所々のアコギがちょいとトラッド風味でなんとなく好印象があった。その ULVER の新作が2枚組みコンセプトアルバムでしかもその題材は Bruce Dickinson の新作で注目を集めた William Blake ってんだから買ってみたらとんでもない。(泣)
期待した「フォーキーなブラック・メタル」は微塵もなく、聴えてきたのは GATHERING の新作を更にアンビエントでテクノにした感じの、言うなれば「デジタル・インダストリアル・ニューウェーヴ・ゴシック」。もちろんデス/ブラックでなければメタルでもなく、挙げ句の果てにはロックかどうかも曖昧な線だ。知ってる範囲で喩えるならば FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD みたいかな。
緻密で実験的な音の羅列は「曲」というよりは「パーツの陳列」で、サウンドクオリティは死ぬほど高いものの、ME的にはちょっと勘弁って感じ。
ただ始末が悪いのは、アコギや女声を駆使して噎せ返るほどの耽美さをアピールするチョー魅力的な部分がたまに顔を出すこと。これさえなけりゃ「合わねぇな」でポイっと切り捨てられるのに・・・。(苦笑)(99/01/27)
満足度 : 63%