Impressions

MIDNIGHT SUN / Above & Beyond (1998)

投稿日: 1998/06/20

前作 "Another World" は、オープニングを飾る様式スピードナンバーを除いては「北欧様式美のニューカマー!」的な触れ込みからは程遠い拡散した作風がちょいと残念だったが、この2nd "Above & Beyond" では誰かの入れ知恵があったのかどうかは定かでないが、私のような「北欧=哀愁の美旋律」と直結してしまうリスナーが期待する北欧メタルの理想的な作風を実現していて、思わず拍手もの。
とにかく前作とは打って変わって、全曲が哀しみ系での曲調で統一されているのが嬉しい。キャッチーなフックを生み出す Pete Sandberg のポップセンスとなかなか扇情力の高いギターを聴かせる Chris Palm の伝統的な様式嗜好が非常にバランスよく融合している印象を受ける。所々で顔を出す TRIBE OF GYPSYS を連想させるエスニックな感触も「ヴァラエティ」として楽しめこそすれ、違和感には至っていない。
また、本作から参加した北欧メタル歴戦の勇士である大物ドラマー Hempo Hilden の安定した重量感あるリズムがクオリティアップに貢献しているのも忘れちゃならないポイントだ。やっぱ好きです、こういうの。

満足度 : 88
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