Impressions

LILLIAN AXE / Love + War (1989)

投稿日: 1998/06/15

ある時期になると聴きたくなる「季節モノの曲」がある。"Summer Love" (BISCAYA)、"November is Goning Away" (JOSHUA)、そして本作に収録されている "Ghost of Winter" がその代表だ。この曲に限らず、独特の哀愁が琴線に触れる曲満載の本作は、晩秋~初冬のうら寂しい日暮れ時にアンニュイな気分になりたいときには欠かせないアイテムとなっている。
バンドのブレインである Stevie Blaze によって緻密に構築された哀愁ブリッジを曲中に絶妙に配置することよって、R & R 調の明るめの曲ですら絶品の悲しみを湛えるに至っている様は、圧巻の一言に尽きる。
デビューアルバムを Robbin Crosby (RATT)にプロデュースされてしまったせいで、露出的にはプラスになったものの、バンド本来の本質とは異なったイメージが付いてしまったのが、最大のマイナス要因のように思う。これだけの哀愁+品質であれば、売り方次第では日本市場でブレイク出来たハズと確信できるだけに、それが残念だ。
(1998/06/15:記)

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