Impressions

THYRFING / Vansinnesvisor (2002)

投稿日: 2002/08/20

スウェディッシュ・ヴァイキング=デス・メタル・バンド THYRFING の 4th アルバム。
ドラマティック&シンフォニックなテイストが大爆発を見せた大傑作だった前作 "Urkraft" の次ということで、カナリの期待を胸に臨んだこの「Tunes of Lunacy」という意味を持つスウェーデン語をタイトルに冠した新作だが・・・ここに来て軸足の向きを少し変化させ、ダイナミックな重量感を打ち出したタイト&ソリッドな作風で攻めてきた。
クレジットを見ると、プロデュースは STRAPPING YOUNG LAD, MESSHUGGAH, ANDROMEDA, STUCK MOJO, DARKANE そして IN FLAMES の最新作(!)などの仕事で知られる(らしい・・・だって知らんもん/汗)Daniel Bergstrand。なるほどね・・・。
もちろん、THYRFING ならではのヴァイキング風哀愁が男泣きを誘う大仰な展開、そしてメランコリックなキーボードの音色も全編を貫いてはいるんだけど、前作の印象が強いせいか本作でのこの変化は・・・うーん、正直残念かも。
ただ、前作と比較せずに作品単体として眺めてみれば、バランスの良いメロディックなデス・メタルとして非常に完成度の高い作品だとは確実に言える。楽曲もよく練られているし、リフもキャッチーだし。
でも、#5 "Angestens Hogborg" の瑞々しいフィドル・リフや #8 "Kaos Aterkomst" での清廉たるアコースティックの響きなどが醸し出すフォークロアな空気にグッと来ちゃうと、「あぁ、全編こんなんだったらもっと・・・」って無いものねだりが始まっちゃうんだよな・・・。

満足度 : 78
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