Impressions
オーストリア産メロディック・メタル・バンド SERENITY のデビュー・フルレンス・アルバム。
センスの良さを滲ませるキーボードを筆頭に、テクニカルな素養を隠さない熟達プレーヤ陣が織り成すプログレッシヴ色強めのドラマティックな欧風メタルは、新人らしからぬ風格に満ちたもの。
メロウな北欧系叙情感と艶やかさを失わない技巧的硬質感の両面が、共に己を高め合いながら洗練されたクサメロを包み込んでいく様は、SONATA ARCTICA meets VIGILANTE とも喩えられよう風合いで、その今までありそうでなかった微妙なバランス感覚は実に新鮮だ。
一部、思わず身を乗り出す“悶絶パート”と、展開を実現するためにだけに存在するような“消化パート”との「気合の落差」が気になったりもするけど、地に足の着いたメロハー・テイストからエクストリームなデス・ヴォイスまでを適所に配した良質のヴァラエティ感は、実にナイスな心地良さを運んでくるですよ。
最近の Napalm Records は突然こーゆーのをプッシュしてくるから面白いな。
(Oct, 02, 2007)
満足度 : 85%