Impressions
かつてのネオ=クラシカル四天王(って、いつまでこの表現使い続けるんだろ?/笑)の中でも最も好みのプレーヤである Vinnie Moore の最新音源は、ブリティッシュ・ハード・ロックの古参バンド UFO の18枚目のアルバム。
良い言い方をすれば、枯れた味わいが支配する王道たるオールド・ブリティッシュ・ハード、悪い言い方をすれば、地味極まりないヲサーン英国ロックな作風に思いのほか馴染んでいる Vinnie Moore のプレイは、近作の中では最もソロ・パートがフィーチュアされた感のある楽曲の中でフレッシュな存在感を生んでいる。
元来持ち合わせたジャジー/ブルージーなエッセンスをここぞとばかりに表層に湧き立たせて、乾いたナチュラル・トーンで爪弾かれる端整なフレージングの妙はさすがの一言で、「for the Band」の姿勢を感じる全体的には控えめな印象ではあるけど、端々にファスト・プレイを盛り込んだり Michael Schenker を意識したような低音弦で粘るリックを交える微笑ましくも美味しい味付けもあって、「ネオ=クラシカル」という言葉との接点こそ無いけれども、どこからどう聴いても Vinnie Moore な魅力がたっぷりと封じ込められている。ただ単に「器用」と表現するのとは一味違う老獪な奥深さが、この Vinnie Moore の好きなトコなんだよな。
ただ、UFO のアルバムとして見ちゃうと・・・やっぱチョイと辛いなぁ。Michael Schenker のプレイはもちろん楽曲がそれ自体泣きまくってた初期の面影は皆無だもんね。って、もう20年以上前の話なんだから特にその路線への期待は持ってなかったんで別にイイけど・・・。
でも、このメンツでなら、是非ライヴを体験してみたいわ。昔の曲での Michael のパートを弾く Vinnie の姿も観てみたいし、Jason Bonhum の親父譲りの豪快なヘヴィ・グルーヴもライヴだと一層強力そうだしね。
(Feb. 26, 2004)