Impressions

LOST HORIZON / A Flame to the Ground Beneath (2003)

投稿日: 2003/01/20

衝撃のデビュー作 "Awakening The World" 一枚でヘヴィ・メタル・・・いや「音楽」そのものの究極の真理にまで辿り着いてしまった不世出のメタル・メサイア LOST HORIZON の、待望の 2nd アルバムが・・・遂に・・・遂にリリースされる日がやってきた。

オレの中の「ヘヴィ・メタル」の定義を確実に変化させたほどに凄まじかった前作の事を考えると、この 2nd ではどうなることかとヒヤヒヤ・・・ってゆーか正直、「あれだけのアルバムを作ってくれたんだからもう解散しても悔いはないや」と極端な思考を生むほどの妙な平常心とその裏にある過剰な期待がガチンコ勝負する複雑な感情と共に対峙する事になった本作は・・・やっぱスゲーーーーッ!!

プレリュードである #1 "Transdimensional Revelation" の銀河の胎動を連想させるサウンド・エフェクトに導かれ、Transcendental Protagonist こと Wojtek Lisicki (g) の飛翔する美旋律とそれに続く Ethereal Magnanimus こと Daniel Heiman のイキナリの超絶シャウトで一気に純な激情を弾けさす #2 "Pure"(2003年度のオレのテーマソングにケテーイ!/苦笑)で幕を開けたこの新たなメタル・バイブルは、続く #3 "Lost in the Depths of Me" ~ #4 "Again will the Fire Burn" では大仰に展開する勇壮なる漢メタルの醍醐味を心ゆくまで存分に堪能させてくれる。

そして荘厳なイントロ #5 "The Song of Earth" から焔のバトンを受け取るのは、前作譲りの熱さを感じさせる燃え滾るガッツが身体中のすべての血管を瞬時にぶち切る #6 "Cry of a Restless Soul"! そして心地良い疲労感に追い討ちをかけるように疾走感が大爆発するアドレナリン完全噴出のイントロから一転してミドル・テンポの重厚メロディック・メタル・ワールドが展開する #7 "Think Not Forever" を経て行き着くのは、12分に迫る大曲 #8 "Highlander (The One)"。宇宙の創生から終焉までを描かんが如きのこの壮大なる名曲は、Daniel Heiman の独壇場。勇猛さを失うことなく終始スペーシーに様々な表情を見せるドラマティックな展開の中に響き渡る彼の魂の絶唱は、崇高なる「絶対神」しか持ち得ない筆舌に尽くし難き美しさのオーラに包まれている。そして神々はアウトロ #9 "Deliverance" と共に再び銀河の彼方へ戻ってゆく・・・。

ライヴでも既にペインティングが様になっていた(笑)サポート・メンバーの 2nd ギタリスト Equilibrian Epicurius こと Fredrik Olsson とキーボーディスト Perspicacious Protector こと Attila Publik の2人をそのまま正式メンバーに迎え6人組と体制強化した新生 LOST HORIZON が生み出すサウンドは、スピードに頼らずヘヴィ・メタルの「芯」の部分に焦点を当てた重厚な核をアトモスフェリックなキーボードで包み込んだ壮大なスケールを持つ、前作同様の熱さに満ちたもの。

ハイレベルなテクニックを駆使したパワー・ヒットを繰り出す Preternatural Transmogrifyer こと Christian Nyquist (dr) と鬼神の如き立ち姿が目に浮かぶ Cosmic Antagonist こと Martin Furangen (b) の強靭極まりないリズム隊の上、前作よりもエモーショナルな表現を前面に打ち出した Wojtek Lisicki のさらにメロディックになったギター・プレイ、そして Daniel Heiman のにわかに信じ難いほどの「劇唱」が織り成すこのエキサイティングな極上のメタル・ワールドの前でこの身がとることの出来る行動は、天に向って拳を突き上げまくり、死を賭してヘッドバングし、出ない声を振り絞って声帯がひび割れるまでシャウトしまくる・・・という3つの行動のみしかない!

生きてて良かった・・・。幸せ・・・。

(Jan. 21, 2003)

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