Impressions
ロマン・フォーク=ロック・デスを実践する暗黒界の至高の存在 OPETH の 5th。
サイケデリックそしてプログレッシヴという 70 年代ロックの精神性溢れるその独特の美麗なる暗黒世界は、若干音楽性は異なるものの AMORPHIS と同等のスピリチュアルなオーラを発するクオリティの高いプレイがアバンギャルド一歩手前で生み出す極限の哀しみに充ちたアダルトなロマンティシズムが導く、幽玄で静粛な美しき迷宮。
ディープな凄絶デス・ヴォイスとタマらなく麗しく響くクリーン・ヴォーカルを自在に用いてその心情を吐露する Mikael Åkerfeldt をはじめとするメンバー 4 人の、生身の人間模様がぶつかり合う「ロック」のヴァイヴに包まれたその楽曲群は、ケイオティックなプログレ・リフが回転するスリルとアコースティカルなリリカル・フォーク・パートの安堵が交互に訪れながら、自身の脳内物質の過剰分泌を促すんだな。
鍵盤系の装飾はほぼピアノのみという最近の耽美デス系とは趣を異にするシンプルな作りながら、ギタリスト Peter Lindgren(マジで巧いよ)の上質なセンスに裏付けられた恐るべき懐の深さを見せつけるマジック・タッチによる、リフ&カッティング、アルペジオ、ハーモニー、スライドなど多彩なギター奏法を駆使したフレーズ&アレンジの妙による、密度が濃くも意識が空間を浮遊するサウンド・クリエイトはサスガの一言。
いやー、参った参った。やっぱり凄いね、OPETH は。ホント嬉しいわ。
[Jan. 08, 2004 追記] ソロ・パートの多くは Peter Lindgren でなくて Mikael Åkerfeldt が弾いてるらしいデス。
満足度 : 93%