Impressions
男女ツイン・ヴォーカル、キーボーダー、ヴァイオリニストを含む7人組ジャーマン・メロディック・ゴシック・メタル・バンド REGICIDE の 2nd アルバム。
デビュー作 "Viorus" の類稀な完成度と実際に Wacken 2005 で目撃した素ン晴らし過ぎるパフォーマンスのおかげで、Myゴシック・マップ上にて好位置をマークすることになった彼らだが、この新作も高まった期待を裏切らぬ好盤になってて一安心。
ヴァイオリンやピアノを大きくフィーチュアした優美なシンフォニック・サウンドを身上としながらも、ゴシカルな耽美さよりは都会的エッジに包まれたコンテンポラリな取っ付き易さを強く感じさせるモダンな叙情サウンドは、2作目にして早くも REGICIDE 風と呼びたくなるほどの個性を確立してきたかの堂々たる佇まい。
吸い込まれるような柔らかな歌声の Frauke Richter 嬢 (♀vo) と秘めた力強さがふくよかに響く Timo Sudhoff (♂vo) のデュエットが絶妙に交錯するミュージカル風味のシアトリカルな色合い、地力の高さが滲むフィジカルな演奏のプログレ・メタリックなスリル、そしてそれらにディープに絡みつく専任ヴァイオリン嬢 Jonna Wilms タン(萌)が惜しげもなく震わせる弦の吐息が一体となって快活に展開する楽曲群は、その全体を覆うクリアなメジャー感がどうにも素敵なのデスよ。
惜しむらくは、オープニングを飾るダイナミックな佳曲 #1 "Plastic Dove" をはじめ水準以上の出来と確信できる粒揃いな楽曲を揃えながらも、ハイライトとなる突き抜けてキラーな一曲が残念ながら見当たらないこと。ま、そのあたりは引き続き今後に期待ってことで。
(Mar. 29, 2006)